76年発売、¥21000。クーガー115がナショナルのBCLラジオとしては最初のヒットですが、その後に当時未だ人気のあったスカイセンサー5800の対抗馬としてナショナルが出したモデルと思われます。スカイセンサーが縦型に対し、此方は横型、価格は此方が¥200高いだけ。スピーカーも同じ10cmで出力も2.2Wで同じかと思います。双方BFOが付いて、ソニーはギア比を変えるダイヤルが売りでしたが、此方は短波帯を6分割し、100段階の等間隔メモリのスケールで選局のし易さを追求しています。発売時点では相当な高性能BCLラジオであった筈ですが、このモデルの数ヶ月後に大ヒットしたクーガー2200が出たため、待受受信機能の無いオーソドックスな本機はあっという間に旧式に見えると言う皮肉な状況となりました。まあ、2200はスペック的にも当時の最上級機1180を略全ての項目、バンドで上回ると言う超強力モデルだったので已むを得ないところは有ります。ところが面白い物で、各バンドの受信性能は兎も角、音についてはこのモデルは傑出しており、マニアの間で隠れた名機との扱いもある様です。実際FMでクラッシック等を聴くと中音域が明瞭で非常に良い音質です。ナショナルのこの頃のラジオは押し並べて音が良いのですが、このモデルはその中でも間違いなく上位に位置します。ワールドボーイTXより良いでしょう。この個体は見た目が綺麗で珍しいモデルでも有ると言うことでポチった物です。果たして状態は非常に良く、これまで扱ったクーガーシリーズの個体の中では最高クラスです。単に傷、汚れが殆どないだけで無く、保管状態も非常に良かったのでしょう、電池室の液漏れ跡無し、アンテナの錆、曲がり無し、機能全て正常。特筆するべきはこのモデルの特徴の一つで有る縦型のチューニングメーターで、わざわざメーター専用の回路を設けて指針の動きをコントロールしているため非常に精緻な動きをします。これはマニアとしてはグッと来る部分でしょうね。ダイヤルライトの照度も適度で眩しすぎず、しっかりと大きなスケールとメーターを照らしてくれます。AMについては大型アンテナが入っているとの記載もありましたが、実測φ10X180mmでクーガーシリーズとして特に大きい方ではありません。貴重な単2電池付きです。
商品の情報
カテゴリー | 家電・スマホ・カメラ > オーディオ機器 > ラジオ |
ブランド | パナソニック |
商品の状態 | やや傷や汚れあり |